介護職の仕事の技術は伝達できるレベルを
介護技術の提供を仕事とする介護職は、その基礎となる知識を身につけることが重要です。
まず、対象となるのは人ですから、加齢に伴う感覚や関節などの変化、心理状態の変化が起きることが大前提です。
そのうえで、本人が要介護状態になるきっかけをつくった疾患の特徴および生活状況を把握し、適切な介護技術を提供する準備を行うことが大切になります。
その準備を怠ると、ケアを受ける前よりも状態が悪化し、軽介助で済んでいた人が、全介助になることもあるため注意が必要です。
それらを防止するためには、利用者にけがをさせない、過度な負担をかけない最低限の知識が必要です。
禁忌事項や中止基準を明確にしておき、厳守することが大事になります。
本来安心して過ごせる生活の場で、利用者自身の持つ力を削ぐようなことがないように、ケアにあたることが重要です。
介護職が知識を身につける時、それには段階があります。
知らない、何となく知っている、頭では理解しているレベルからはじまり、実践につなげることができている、人に伝える、教えることができるレベルまで到達できます。
もし、基礎知識を理解しているレベルで満足していると、実践につなげるという段階まで到達する可能性が低くなります。
そうなると誤った介護技術を提供していることに気づきにくくなるため、研修などに参加する場合は、実践につなげる、人に言葉で伝え、教えることができるレベルを目指すとことが大事です。