介助の基本は知っておこう
介護職の仕事は、利用者に対してさまざまな介助を行うことが基本です。
その際に、基礎的な介護技術が身についていないと、利用者が不安や不快感を感じることもあるため注意が必要になります。
高齢者は、筋力のバランスが崩れることで、関節が不安定になりがちです。
加えて、可動域も狭まる傾向も強く、これらを軽減する工夫が必要です。
軽減するためには、例えば、上着の更衣介助において脇を開く際に、肘や上腕だけをもって動かすのではなく、肩に触れて関節を安定させることが大事になります。
これにより、不要な緊張が緩和されて適切な運動方向へと導くことが可能です。
脇を開く際に、手から持ち上げると、目的とする肩関節に介助の力が伝わりにくくなります。
これは、手関節や肘関節をまたいで力が伝わるからです。
適切な方向への運動が得られないと、肩関節の疼痛や炎症を引き起こす原因となります。
動かす関節にもっとも近い部位、この例の場合、上腕を支えることが大事です。
どの部位でも、関節をまたいで動かさないことを念頭に置くことが重要です。
また、利用者自身が動かそうとしている方向を介護職がまず感じ取り、それを妨げることがないように追随しながら介助を行うのが基本です。
本人の力を利用することで、関節の安定性が得られ、関節運動のエラーや疼痛などのリスクが緩和されるとともに、利用者自身の可動域を広げることも可能になります。
このように、本人の動きを大切にすることも重要です。